現代的な言葉を見てみようと、「インターネット」を見てみた。
一番うれしいのは『新明解』第七版。独立の項目がないのだ。「インター」という接頭語に繋がるものとして説明している。
―ネット 世界じゅうのコンピューターをつないで加入者の間で情報交換が出来るようにした国際的な通信情報サービス組織
ふむ。「インター」の中の項目としているわりには「ネットワークを繋いで」ではなく「コンピューターをつないで」となっているのが面白い。「インター」を強調するのであれば、『大辞泉』第二版風の説明になるのかと思った。
個々のコンピューターネットワークを相互に結んで、世界的規模で電子メールやデータベースなどのサービスを行えるようにした、ネットワークの集合体
でも、現在的な説明として、「ネットワークを相互に結んで」というのに実効性はあるのかな。既に「個々のネットワーク」に繋ぐことなど意識せず、総体としてのインターネットサービスを利用するという考えで接続しているケースの方が多いんだと思う。
- 作者: 村井純
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『大辞泉』では続いて「標準化された通信規約を用いるため、個々のコンピュータの機種によらず通信を行える」とも記している。
歴史的に見ればどうしても記述しておきたいポイントなのかもしれないな。
『広辞苑』第六版も面白い。一部引用してみる。
パソコン通信のように一台のホスト・コンピューターがサービスを提供するのではなく、全世界に分散するサーバーにより運用・管理される
わはは。さほど古い辞書ではないくせに、パソコン通信を説明に使うのが面白い。もちろん「パソコン通信」は別項目で説明されている。『岩波国語辞典』第七版・新版や『新明解』第七版には「パソコン通信」の項目はない。
『大辞泉』第二版が死を告げているからだ。「パソコン通信」の中の「補説」を引いておく。
通信会社のホストコンピューターに接続している会員同士でのみ通信が可能となる。インターネットの普及により現在は衰退。
ニフティサーブ、ASAHIネット、PC-VAN、日経MIX、CompuServe…。「ご当地パソコン通信」的なものも数多く存在していた。
パスワードは、ひ・み・つ―パソコン通信探偵団事件ノート〈1〉 (講談社 青い鳥文庫)
- 作者: 松原秀行,梶山直美
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