『新解さんの謎』という有名な本がある。96年に出て大いに話題になった。ぼくなんかは恥ずかしくて手に取れなくて、そのまま最近まで過ごした。
- 作者: 赤瀬川原平
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1999/04
- メディア: 文庫
- 購入: 11人 クリック: 83回
- この商品を含むブログ (114件) を見る
最近、Kindle版があることを知り、ようやく読んで見た次第。『新明解』の話は確かに面白かった。
この本を読みつつ国語辞典に「凡人」の項目があるらしいことを知る。『新解さんの謎』が対象としている『新明解』(うちにあるのは第七版)の前に、『岩波国語辞典』第七版・新版をチェックしてみた。
特にすぐれた点もない人。普通の人。また、つまらない人。
最後の「また」が愉快だけど、まあ普通の定義だ。そして目的の『新明解』第七版を見てみる。
自ら高める努力を怠ったり功名心を持ち合わせなかったりして、他に対する影響力が皆無のまま一生を終える人。〔家族の幸せや自己の保身を第一に考える庶民の意にも用いられる〕
「一生を終える」あたりが『新明解』らしいところか。
- 作者: 山田忠雄,柴田武,酒井憲二,倉持保男,山田明雄,上野善道,井島正博,笹原宏之
- 出版社/メーカー: 三省堂
- 発売日: 2011/12/01
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
ところで、『新解さんの謎』があまりにはやったもので、以来『新解さんの謎』はもちろん国語辞典も恥ずかしくて買えなくなっていた。
これこそ非常に情けない、凡人的心性を示すものであっただろう^^