気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

ほとんどの辞書で項立てされている「えーくらす」

『岩波国語辞典』の第三版(1984年)を眺めていた。「えーくらす」という項目がある。語釈は「高級。上級。」となっている。当時はやった言葉だったのかな、と『岩波国語辞典』第七版・新版を見ると、こちらも同じ語釈でそのまま掲載されている。

なんだろう、岩波的「Aクラス」宣言なのかなと『新明解』第七版も見てみる。やはり掲載されている。語釈は「第一級。A級。」だ。

しかしこの「Aクラス」。そんなに使う言葉でもないと思うんだよな。試しにAmazonで検索してみても、名前がそのままAクラスになってるものはなかなか表示されない。

確かにちょっと前(20年から30年くらい?)前には「Aクラス」なんて言葉をよく使ってたかなあ(今との比較)。「ドンチャン」も「車はA級(Aクラス)ライセンス」だったしな。

それにしても語釈が冷たすぎるんじゃないかと『大辞泉』第二版を見てみると、少しだけ丁寧に説明してくれていた。

第一級。ある集団のうちで最も上位に属していること。A級。「―の成績」

ふむ。それでもどういう「必要性」があってのことかはよくわかんない。

ちなみに「A級」は立項していない辞書が多い。『大辞泉』や『広辞苑』第六版で「A級」を引いても「A級戦犯」しか見つけることはできない。

BC級戦犯裁判 (岩波新書)

BC級戦犯裁判 (岩波新書)

追記:友人から「Aクラスってプロ野球の成績を示すときに使うじゃん」と指摘された。そうだ~! 久しく見ていないので、全く頭から抜け落ちておりました。

プロ野球「衝撃の昭和史」 (文春新書)

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