落語に「馬の毛」というのがある。読み方は「うまのす」。ばかばかしくも「ナンセンス」風味があり面白い作品。でも、なぜ「うまのす」と読むのか分からない。
落語のみでの読み方かと思っていたが違うようだ。
広辞苑に「馬尾毛」という言葉がある。「馬の尻尾の毛。馬巣織(ばすおり)・釣糸などに用いる。す(馬尾)」。なるほど、確かに「馬の毛」は「うまのす」と読むんだな #落語
— maeda hiroakiさん (@torisan3500) 2013年5月23日
「馬尾毛」で「ばす」と読むそうだ。
さらに、「普通に辞書に載っている」というのは言い過ぎだろうけれど、『日本国語大辞典』には「馬の毛」(うまのす)で立項されている。
馬の尾の毛。馬尾(ばび)。水嚢の簀などの細工に用いるときの称。
*俚言集覧〔1797頃〕「うまのす 馬の尾の毛なり」
いずれにせよ、なぜ「ス」なのかの説明はない。 「簀」を指して「これは何でできているのか」という話から「馬の簀」だよあたりから転じた?
ジャパンナレッジ経由、『日本国語大辞典』の「水嚢」の絵を貼っておこう。
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