前の記事に続いて動物園ネタ。
お題はペンギン。いろんな辞書を見てみると、結構似た感じ。そんな中、『新明解』第七版と『岩波国語辞典』第七版・新版を比べてみよう。
まずは『新明解』。
南極大陸など南半球に住む海鳥。背中が黒く、腹が白くて、まっすぐ立って歩く。よく泳ぐが、飛ぶことは出来ない。
「飛ぶことはできない」という記述に『新明解』 らしさを感じるかもしれない。ただ、この「飛ぶことは出来ない」というのは「翼はヒレに変化したんですよ」ということを表現しているようだ。「おまえ、人気者でかわいいけど、でも飛べないんだよな」といじめているわけではない様子。
『岩波国語辞典』の方を見てみよう。
ペンギン科の海鳥の総称。多くは南極地方に住み、体長0.5~1メートル。頭部は青黒く、足・翼が短い。陸上では白い腹をみせて直立し、水中では翼を使って泳ぐが、空は飛べない。
「白い腹」というのも国語辞典的にお気に入りの要素のようだ。『広辞苑』第六版や『明鏡』には記述がないようだけれど、かなりの国語辞典で「腹は白い」と書かれている。
ただ「白い腹を見せて直立」と書いているのは岩波オリジナルかな。そんな意図もないんだろうけど「短い手足ながら、白い腹を見せて胸を張っているのがかわいい」と書いてあるように感じてしまう。
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ところで『日本国語大辞典』によると「体高三〇~一二〇センチメートル」とあり、『岩波国語辞典』の表記よりも上下共に幅が広くなっている。
そういえば『新明解』にも『岩波国語辞典』にも食べ物についての記述がない。『広辞苑』第六版では「群棲して魚類・甲殻類・頭足類などを捕食する」となっている。
また「ペンギン類」のことは「人鳥類」と言うそうだ。「天人鳥」と字が被っているけれど、とくに関連はないみたいだ。
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