気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

ぼくにもわかった「九牛」の意味

辞書をめくっていて「九牛」という言葉に出会った。

不勉強なぼくはこの言葉を知らなかった。もし聞いたことがないねという人がいれば、ぜひとも意味を想像してみて欲しい。「そんなもんわかんねえよ」と言わずに、ぜひとも素直な心で考えて欲しい。

考えてみてくれただろうか。では、『大辞泉』第二版から全文を転載しておこう。

9頭の牛。また、多くの牛。

嘘じゃなくてこれが全文。きっと予想通りだったんじゃないだろうか。

立項されていれば、他の辞書でも同じような語釈になっている。素敵だなあ。「九牛がぎゅうぎゅうしている」なんて使い方で正しいんだろうか。

きつきつぎゅうぎゅう (ほるぷ海外秀作絵本)

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まあ、実際のところは「九牛の一毛」(きゅうぎゅうのいちもう)という成句として利用する言葉の様子。『広辞苑』第六版などにはこの形でしか立項されていない。

でも「九牛」で立項している辞書がある以上、「九牛がぎゅうぎゅう」とか「きゅうきゅうする九牛」だって正しい言い回しであるはずだ。

使っても誰にも通じないかもしれないけれど。

ちなみに「九牛の一毛」の意味は次の通り。『広辞苑』第六版から引いておく。

(多くの牛の毛の中の1本の毛の意)多数の中のきわめて小さい部分。取るに足りない小事にいう。