ずっと里見弴の小説ないしはさだまさしの歌のタイトルかと思っていた。
- 作者: 里見トン
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1940/10/26
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ところがこれ、なんと一般名詞なんだそうだ(但し、『広辞苑』第六版には固有名詞しか掲載されていない)。
『大辞泉』第二版から引いてみる。
感じやすく移り気であるが、人情にあつい性質。
なんかよくわかんないな。
「感じやすく移り気」というのは自然に流されてるけれど、感じやすいと移り気になるもんなんだろうか。あるいは移り気になる原因として感じやすいということが想定されるんだろうか。
さらに 「感じやすく移り気」と「人情にあつい」が「であるが」でつながってるのもよくわからない。
こういうときは他の辞書にあたると助けてくれるんだけど、他もほとんど同じような感じで、相変わらずよくわからない。
和英辞典に助けを求めてみた。『プログレッシブ和英中辞典』第三版。
多情仏心の人だ
He is fickle but not cold―hearted.
なるほど。こういうふうに使うわけか。そして「感じやすく移り気」ってのは、まあ端的に言ってしまえば「浮気」ということなんだな。それはまさに里見弴の小説と同じだ。
そうそう、固有名詞の方も辞書から引いておこう。固有名詞としてしか載せていない『広辞苑』第六版から。
小説。里見弴作。1922~23年(大正11~12)時事新報に連載。主人公藤代信之の奔放な恋愛遍歴を描き、人間のまごころを信じる作者の信条と、円熟した技巧を示す。
あはは。言葉はあまり応用範囲がなさそうで興味を持ってもらえないかもしれないが、小説の方には興味を持ってもらえるかもしれないな。
ところで最初にこの言葉を聞いたのは中学校一年のとき。さだまさしの「レコード」だ。
- アーティスト: さだまさし
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すぐに小説があることを知り、読もうと手にとったんだけど、あまり中学生として読みたい本ではなかった。