気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

関西時代に覚えた「かしわ」と「豚まん」と「ミンチ」

東京に出てて(何年も前の話だ)、何かの本で「関西では鶏肉をカシワと呼ぶ」という記述をみた。「東京では言わないのか」と驚いたものだった。

中学・高校と大阪ですごしたぼくは、確かに「鶏肉」を「かしわ」と呼んでいた。また「肉まん」は「豚まん」と呼んでいたな。

料理をしないぼくは、東京で鶏肉を「かしわ」と呼ばないのかどうか知らない。ただ「聞かないなあ」と思うだけ。

広辞苑』第六版から引いてみよう。

(1)羽毛が茶褐色の鶏。肉が美味とされた。
(2)転じて、鶏肉。

なるほど、転じたのか。いつ転じたのか、『日本国語大辞典』も見てみよう。

羽毛が茶褐色の鶏。和鶏。また、その肉。特に雌鶏の肉を美味としたが、天保(一八三〇~四四)以降は鶏肉の総称となった。かしわどり。

天保ってのは「天保銭」の頃。ずいぶんと昔の話だ。

ところで東京では「ミンチ」というのも言わないそうだ。料理をしないので耳にする機会がないだけのことだと思っていた。 

尚、以上の話の出典である『日本語用例採集帳』。読者登録ハガキがついていたんだけれど、書名に誤植があった。

ちょっと可愛い。

金田一秀穂の日本語用例採集帳

金田一秀穂の日本語用例採集帳