シャレで使うことはあった。でも本当にある言葉だとは想像だにしなかったな。「夏眠」という言葉の話だ。
『世界大百科事典』は「夏眠」の項で次のように言う。
夏は生命の営みが頂点に達する季節だが,この時期に活動を停止して秋を待つ動物たちがある。
そうだよ。やはり「夏眠」というのは「驚きの」ないし「意外な」事実だと思うのだ。
ちなみに下のカピバラは寝ているだけで、「夏眠」しているわけではない。
「夏眠」という言葉があるのだと気づかせてくれたのはMerrium-WebsterのWord of the Day。
estivate = 夏眠する。「夏眠」という語があることも、夏眠する生き物が一般的であることも知らなかった。 / “Estivate - Definition and More from the Free Merriam-Web…” http://t.co/W6F5YzwGLe
— maeda hiroaki (@torisan3500) July 18, 2013
「そうなの?」と驚いて国語辞典を引けばちゃんと載っている。小型辞典でも『新明解』第七版にはないが 『岩波国語辞典』第七版・新版には載っている。『三省堂国語辞典』第六版にもある。
『広辞苑』を見ておく。
生物が乾燥高温の夏に休眠状態に入ること。主に熱帯地方で、一部の植物や、哺乳類から陸生無脊椎動物にわたる広範囲の動物に見られる。
なるほどな~。 昆虫などで、蛹として夏を過ごし、発育速度を遅らせるのも「夏眠」と呼ばれるらしい。ただ、そういうスタイルはあまり「インパクト」がないな。やはり脊椎動物の例がぐっとくる。『世界大百科事典』から引いておく。
夏の高温・乾燥がきびしい気候下では,いろいろな無脊椎動物,両生類,爬虫類(リクガメの類),肺魚類などが悪条件にたいする耐性を強化し,土中にひそんで夏眠する。
なんかカメってのは、生物学の対象として見ると面白いことだらけの存在みたいだなあ。
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ヒガンバナなどが夏に葉を落とすのも「夏眠」の一種と考えるのだそうだ。
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