ぼくは奄美大島で生まれた。浜辺はヤドカリだらけだったな。
そのヤドカリ。Amazonで見てみると飼育セットのようなものがたくさんあるのに驚いた。
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どうやらメジャーな飼育動物なのだろうか。飼育しようにも、都会では飼育セットは見つかっても、ヤドカリ自体が見つからないような気もするけれど。
国語辞典も面白い。たとえば『広辞苑』第六版。1番めの語釈は「宿を借りること」。これはまあいい。生物としてのヤドカリの部分を引いてみよう。
「寄居虫」とも書く)エビ目(十脚類)の甲殻類のうち巻貝の空殻に入る種類の総称。体はエビ類・カニ類と同じく、1枚の頭胸甲で覆われた頭胸部と、7節に分かれた腹部とをもつが、腹部の甲殻や腹肢の発達が悪いものが多い。歩脚のうちの第1対は鋏脚(きょうきゃく)、最後対は極めて小形。成長して大きくなると貝殻を取り替える。ホンヤドカリなどほとんどが海産で、オカヤドカリは陸生。貝殻に入らないアナジャコ・コシオリエビ・カニダマシ・タラバガニ・ヤシガニなどを含めて一般的には異尾類とする。ごうな。おばけがい。古名かみな。(季)春
ヤドカリの専門家に話を聞きたくならないだろうか。 「発達が悪い」という書き方もちょっとすごい。これに該当する部分を『大辞泉』第二版でもみてみる。
頭胸部は硬いが、腹部は軟らかいので巻き貝の空き殻に入れて保護し、右巻きの巻き貝が多いのに応じて右にねじれている。
「発達が悪い」というのが「腹部が柔らかい」になってる。 腹部の柔らかさ(発達の悪さ)が個体差というわけではないと思うので、これは大辞泉の記述のほうが「優しい」感じがする。
ところでヤドカリは成長すると「宿替え」をするが、抜け出たところを見たことがあるだろうか。JapanKnowledge経由『日本国語大辞典』から図版を引いてみる。
確かに「異尾類」だ。「右にねじれている」。春の季語であるというのも面白い。浜辺で遊んだ記憶から、つい夏のものだと感じてしまう。
磯の生きものの飼いかた―ヤドカリ・タコ・ヒトデほか (飼ってみよう!海べの生きもの)
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