気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

夕立の反対語は「朝立」。

ちょっと近くに用を足しに出かけた所が豪雨にやられた。すごかったな。「夕立」の範疇に入るんだろう。

ところで「夕立」は万葉集の時代から使われている言葉なのだそうだ。古くからある言葉ゆえに(?)語源はいまひとつはっきりしないようだ。

広辞苑』第六版に「一説では」と掲載されている語源はそれなりに面白い。

(一説に、天から降ることをタツといい、雷神が斎場に降臨することとする)

語釈は『日本国語大辞典』から引いておく。

(1)夕方になって、風・波・雲などが起こり立つこと。
(2)夏に、雲が急に立って、短時間に激しく降る大粒の雨。多く雷鳴を伴って午後から夕方にかけて降る。夕立の雨。夕立雨。↔ 朝立。《季・夏》

自然現象の発生を「立つ」と言うことも多いからだとか、雲が立つからだというような説もあるそうだ。

で、「夕立」の反対語は「朝立」だと、中型・大型辞典は主張する(小型辞典には「夕立」の反対語としての「朝立」はないことが多い)。同じく『日本国語大辞典』を引く。

(1)朝早く旅立つこと。早立ち。↔夜立ち。
(2)朝方に降るにわか雨。↔夕立。
(3)夜明け。朝まだき。

手元の小型国語辞典を見ると、「朝立(ち)」には上の1番めの意味しか記述していないことが多いようだ。 つまり「夕立の反対は朝立だ」と言われて「え、そうなの」と思うのは恥ずかしいことではない。

尚、『大辞泉』第二版(紙版)にも一番目の語義しかない。但し、付属DVDにはいろいろと記述が増えている。

(2) 政治家などが、朝の通勤時間帯に、駅前などの人通りの多いところで演説をすること。
(3) 朝、男性が目覚めた際に、陰茎が勃起(ぼっき)している現象のこと。
(4) (朝立)朝方に降る雨。

なんか順番がおかしいような気もするけどな。『大辞泉』、DVD版や「デジタル版」はいろいろとぶっとんでいるみたいだ。 

「アクハイヤー」の立項は個人的には反対だな。こんなものが日本で普通に使える言葉であると認めたくないもの。 

まあしかし。「精力的」であるのは間違いない。

大辞泉 第二版 DVD付

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