葉書はなぜ「葉」書というんだろう。昔は「葉っぱ」に書いていたからだろうか。
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そんなわけはない。
実のところ「葉書」にはいろいろあるようで、『日本国語大辞典』には「はがき」で3つの言葉が立てられている。そのうちのひとつが郵便はがき。
(「郵便葉書」の略)第二種郵便に使用する一定規格・様式の通信用紙。
ちなみに多くの辞書で「郵便葉書の略」という言葉がある。 以外に新しい言葉であり、「正式な名前」が国から発表されていたので、いずれの辞書も敬意を払っているということか。
『日本国語辞典』の語誌欄を見てみる。
(1)郵便制度創設の二年後、明治六年(一八七三)に誕生した。正式名称の「郵便葉書」は、郵便制度の創始者前島密の友人で大蔵省紙幣寮に勤務していた青江秀の発案といわれている。当初は、市内一枚五厘、市外一枚一銭であったが、明治一六年に市内、市外とも一銭となった。
前島密ってのは切手だった人だな。「郵便」とか「切手」という言葉を使っていくことを定めた人でもあるようだ。
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まあ、それはいい。語誌欄、3番めをみておく。
(3)表記においても最初は仮名書きされていたが、その後「葉書」「端書」の二種類の漢字表記が見られるようになる。しかし、明治期には「葉書」よりも「端書」のほうの用例が多い。
なるほど。もともとは「端書」と表記されたのか。 葉っぱに書いた故事があるとか、一葉の紙だからというわけではないのだな。一枚の紙に、ちょっとした短い言葉を書いたので「端書」というみたいだな。
『新明解』第七版はもっと突っ込んで断定している。
〔紙片に書く覚書きの意の「端書」の借字…〕
なるほど。
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たとえば『明鏡』で「葉書」を見ても、わざわざ「かな書きも多い」と断ってあったりする。漢字表記の揺れのような現象を説明しようとしてのことなんだろう。
そして『明鏡』といえば、葉書の数え方の項目が面白い。
「一通(いっつう)…」と数える。また、書かれていないものは「一枚(いちまい)…」「一葉(いちよう)…」と数える。
なるほど。確かに未使用のものは「一通」と数えないかもしれないな。
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ところでぼくの子供の頃。封筒は20円で葉書は10円だった。封書の料金はそれから50円、60円、62円と上がっていったのだったか。「文通」をしていたので切手もよく使ったものだった。エアメール用の薄紙の便箋もよく買っていたものだったな。
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