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気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

恐竜は絶滅していない

ものすごく久しぶりに『ジュラシック・パーク』を読んでいる。コンピュータ会社で仕事を始めた頃に邦訳が出たのだったと記憶する。

ジュラシック・パーク〈上〉 (ハヤカワ文庫NV)

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Wikipediaにあるように「原作自体のモチーフは本来カオス理論であった」。それもあってコンピュータ業界に関係する人の間で大流行した。

章区切りごとにフラクタルの成長の様子が描かれていたりもして、それも話題になった(挿入されたフラクタルの話題についてのビデオや、そのビデオについての説明もある。末尾に掲載しておいた)。

そういえば「恐竜」ってのは辞書にどう記されているのだろう。辞書によってはなかなか面白く書いている。『広辞苑』第六版から全文を引く。

(dinosaurs)絶滅した陸生の爬虫類の一群。後肢が胴体の下側から出ていることを特徴とする。中生代三畳紀に出現、白亜紀末まで生息した。ニワトリ大から全長35メートルを越す巨大なものまであり、肉食・植物食など多種多様。鳥類が肉食恐竜の子孫であることから、恐竜は絶滅していないとする考えもある

特徴の記述や「絶滅していない」の記述が面白い。恐竜が鳥の先祖だという話はよく耳にする。確かにそうであれば、恐竜は絶滅していないわけだ。

そして恐竜は鳥になった: 最新研究で迫る進化の謎

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日本国語大辞典』の語誌欄も面白い。

dinosaur の名称は、一八四二年イギリスのR=オーエンが考案したもので、恐ろしいトカゲの意。「附音挿図和訳英字彙」(一八八七)には、dinosaur が収録され、「巨大ノ死虫」と訳されていたが、「恐龍」は見えない。

残念ながら「死虫」は日本国語大辞典に立項されていない。さほど面白い意味ではなく、「絶滅した生物」くらいの意味なんだろう。でも現代に読めば、その語感が面白い。

そしてもちろん英語辞書も見ないとおさまりがつかない。『ランダムハウス英和大辞典』第二版を見る。

[<近代ラテン語 Dinosaurus(1841),もとは属名.⇀DINO―,―SAUR]

年代が微妙に違うがまあよかろう。さらに「DINO」を引く。

―comb. 恐ろしい(terrifying,frightful):dinothere. [<ギリシャ語 deinós 恐ろしい]

英和辞典を見ていて気付いた。そういえばコンピュータ業界では「恐竜」というのはメインフレームを指して言ったりもした。『ランダムハウス英和大辞典』から2番目、3番目の語釈を引く。

2 ⦅比喩的⦆ 時代後れの人[もの],巨大な過去の遺物,無用の長物: ◆a dinosaur pen (ハッカーの間で)大型(旧式)コンピュータ室.
3 ⦅米黒人俗⦆ 陰茎.

3番目は知らなかった。爆風スランプなどが言うところの「俺のマグナム」と同じ意味もあるんだな。 

メインフレーム実践ハンドブック z/OS(MVS),MSP,VOS3のしくみと使い方

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3番目はともかく、2番目は国語辞典にも載せるべきと思うんだけど、載せている辞書はなかなか見当たらないようだ。

以下、フラクタルについての話。ちなみに国語辞典的には「フラクタル」は「どのように分解してもその部分が元の全体と同じ形を備えていて、微分が不可能な図形」なんて感じで定義される。


Dragon Curve - Numberphile - YouTube 

この動画を載せている記事はあちこちにある。こちらのGizmode日本語版のページで、動画の内容解説も見ることができる。

美の構成学―バウハウスからフラクタルまで (中公新書)

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カオス―新しい科学をつくる (新潮文庫)

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フラクタル幾何学(上) (ちくま学芸文庫)

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