気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「はとば」ってのは「はと」があるところであるという当たり前の話。

テレビを見ていて「波止場」という言葉が出てきた。

まあ、「波止場」という言葉がわからないとは思わない。「港」だとか「船着き場」というような意味だ。

ただ、なぜ「波止場」と呼ぶのか。「場」の前、すなわち「波止」で区切って良いものか。区切りつつ、「なみどめ」「場」と読んで良いのかどうか。考えたことがなかった。

辞書をみて少し驚いた。

はと‐ば【波止場】
港の波止(はと)のある場所。また広く、港。和英語林集成(初版)「ハトバ、埠頭」。

これは『広辞苑』第六版。

「波止」で切るのは正しかった。 でも「なみどめ」じゃなく「はと」と読むのだ。ハーフ・センチュリーくらい生きてるけど、「波止」と書く「はと」の言葉を聞いたことはなかったな。

意味は大して面白くない。まあ、確かに「はと」というのだという証拠のため、やはり『広辞苑』から引いておこう。

はと【波戸・波止】
(「はと」は、中国語の馬頭・灞頭・埠頭などからか。一説に、ハテ(泊)の転)海中に細長く土石を突き出した構築物。波を防ぎ、また、荷物の揚卸しにも用いる。はとば。埠頭(ふとう)。防波堤。

普段使うし、そしてその言葉の意味するものもわかっているのに、分解するととたんに耳馴れなくなる。ちょっと面白い言葉だった。 

埠頭を渡る風

埠頭を渡る風