高校講座科学を見ていた。テーマは「油脂」。その中に「豚の脂」と「牛の脂」をそれぞれ何というかという話が出てきた。「常識」の範疇なんだろうけれど、それがわからない。
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まあ、「豚の脂」の方の「ラード」は聞いたことがあるな。これは英語だ。『ランダムハウス英和大辞典』第二版から一部引いておく。
1 ラード:豚の脂肪,特に腹部の脂肪から精製した油.
2 ⦅米俗⦆ ⦅侮辱的⦆ 警察,ポリ公.
なるほど。まあ「警察」に転じるのは世界共通の話か。
ところで「牛の脂」は何だろう。 実のところ、聞いたこともなかった。
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「牛の脂」は「ヘット」というのだそうだ。『日本大百科全書』には次のように記されている。
ヘットはfat(脂肪)のなまった語である。
「そいつぁ面白い!」と、このエントリを立てた次第。
ところがよくみてみると違うようだ。『日本国語大辞典』には次のようにある。
({オランダ}vet )《フェット・ヘト・ヘッド》
Wikipediaも次のように書き出している。
ヘット(ドイツ語: Fett、オランダ語: vet、英語: tallow)
あぶねえなあ。あやうく「ヘットってのは和製英語というか、英語がなまった語でね」なんて知ったかぶりをしてしまうところだった。
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ところで冒頭に出てきた「油脂」。これも実は難しい。と、いうか「化学」の用語だ。『広辞苑』第六版には次のようにある。
高級脂肪酸のグリセリン‐エステル。常温で固形をなす脂肪と、液状をなす脂肪油とに分ける。
これも知ったかぶりして言うと、人から突っ込まれるかもしれない。 そういうときは『明鏡』の語釈を使っておけば間違いない。全文を引いておく。
ゆ‐し【油脂】
〖名〗
油と脂肪。「動物性―」
これならたぶん言い間違えることもない。
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