「したびらめ」をなんで「したびらめ」というのか、あまり考えたことがなかった。
『岩波国語辞典』第七版・新版を見てみる。
したびらめ【舌鮃・舌平目】
ひらめに似て体は平たく木の葉形の魚。体長三〇センチに達する。眼は体の左側に二つ並び、眼のない側は白い。美味。
「眼のない側は白い」というのは、きっとシタビラメの姿をよく知っている人には頷ける情報なのだろう。但し、ちょっとこれでは「なぜ」舌平目という名前なのかよくわからない。
かなり親切にまとめているのが『明鏡』だった。
した‐びらめ【舌平目(舌▾鮃)】
〖名〗
アカシタビラメ・クロウシノシタなど、カレイ目ウシノシタ科の海水魚の総称。本州中部以南の砂泥底にすむ。体形は著しく扁平(へんぺい)で、牛の舌に似る。食用。
なるほど。舌平目の「舌」は「牛の舌」のことなのだ。しかも「似ている」というレベルではなく「ウシノシタ科」という「科」まで構成しているのだ! 知らなかったなあ。
ついでに『岩波国語辞典』から「ひらめ」も引いておこう。
ひらめ【平目・〈比目魚〉】
カレイによく似た海魚。体の左側は暗褐色、右側は白色。両眼とも左側面にある。近海の泥の中に、目のある方を上に向けて横たわる。食用。
ところで舌平目。日本では昔はあまり使わなかった食材なのだとのこと(今もそうなのかは知らない)。でも『大言海』にも載っていた。なんだか格好良いので写真を載せておこう。
『大言海』にも載っている「舌平目」 #国語辞典 #辞書 pic.twitter.com/Gha26rcW6a
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2013, 12月 23
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