田山花袋の『田舎教師』を読んだ。かなり面白かったな。中学時代に読んだはずなんだが、これほど面白い本だと感じなかったようだ。
べとべとせず、そして尻切れのように語る最期の場面がちょっとすごい。電車の中でボロボロ涙を流してしまった(笑)。Kindleを見ながら涙ってのは似合わないなあ。
それはともかく。いろんな言葉が勉強になった。
永久的衰弱という言い回しは一般的だったのだろうか via 田舎教師 http://t.co/HSomP8iUWS 「どうも永久的衰弱ですからなア」
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2014, 1月 18
こええなあ。日露戦争の「意味」についての認識を新たにしたり。
国民にとっての日露戦争 via 田舎教師 http://t.co/P3InXaWxuX 日本が初めて欧州の強国を相手にした曠古の戦争、世界の歴史にも数えられるような大きな戦争
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2014, 1月 18
他にも「出流れ」とか「黒鴨仕立て」、「弁当腹」だとか「だるま屋」だとか。ふだんあまり目にしない言葉のオンパレード。中学時代はいったいこの本をどのように読んだ(読んだつもりだった)んだろうなあ。
まあ、面白い言葉満載なのは読んで楽しんでもらうこととして、わかりやすい「なるほど」は「ロハ台」。
ろは‐だい【ロハ台】
(只(ただ)であるからいう)公園・遊園地などに設けたベンチ・腰掛。
上は『広辞苑』第六版から。「ロハ」の語を知ったのは中学時代だった。この「ロハ」の応用があるのだなあ。まあ応用があるのは普通かもしれないけれど、『広辞苑』が立項する応用単語があったのだな。
懐かしい「ロハ」の言葉も、やはり『広辞苑』から引いておこう。
ろ‐は
(「只(ただ)」の字を片仮名のロとハに分けていう語。明治期から使われ始めた)
(1)今まであったすべてがなくなる。皆無。
(2)代金を要しないこと。無料。無賃。ただ。
まあともかく。自然主義軽んずべからずな作品で、本当に面白かった。『蒲団』も、当然読み直してみるべきなんだろう。