気になる言葉 on 国語辞典

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「かぼちゃ」って「カンボジア」のことなんだって!

『現代国語例解辞典』の第四版をめくっていると、ふと「かぼちゃ」が目についた。

カンボジア原産だと思われたとか、カンボジアから伝わったと考えられていたからとか、その辺は定かではないみたい。

いずれにせよ「カンボジア」に関連する語だったのかと思いつつ、『日本国語大辞典』を見てさらに驚いた。長いけれど、これでも用例部分一部抜粋。とても面白い。

カボチャ
({ポルトガル}Cambodia から)
【一】 カンボジア王国
*浮世草子・好色万金丹〔1694〕四・一「丸山の噂、南京(なんきん)の小哥、漢浦塞(カボチャ)のおどり、阿蘭陀(ヲランダ)の銭よむまねなどするうち」
*古道大意〔1813〕上「御国の人に限りて、唐土、天竺、オロシャ、オランダ、シャムロ、カボチャ等の国に至るまで」

【二】〔名〕 (南瓜)
(1)ウリ科のつる性一年草。アメリカ大陸原産で、植物学上ニッポンカボチャ、クリカボチャ、カザリカボチャの三種に分けられる。その一種、ニッポンカボチャは、いちばん古く天正年間(一五七三~九二)中国を経て九州に渡来し、その後日本各地に広まり、重要な野菜となった。茎は長いつるとなって地をはい、巻きひげがある。葉は互生し、大形の心臓形で縁が浅く五裂する。夏、花冠の五裂した黄色の花が咲く。単性花で雌花の子房は大きくふくらんでいる。花後、ひょうたん形や扁球形の大形の果実を結ぶ。果実と種子は食用となる。本種ははじめカンボジア原産と考えられていたので、この名があるという。とうなす。なんきんボーブラ。ひゅうがうり。カボチャうり。学名はCucurbita moschata 《季・秋》
(2)顔がみにくく、品のない者。人や身体の部分をさす語の前に付けても用いる。「カボチャあたま」「カボチャやろう」など。
(3)下級の遊女の俗称。

カンボジアに「関連する」のではなく、カンボジアのことを「カボチャ」と呼ぶことがあるんだな。

これを知って「カンボジア…かぼちゃ…うふふ♪」となんど呟いてみたことか。

 そういえば「カボチャブルマ」なんてものがあったか。この「ブルマ」は「ビルマ」とは無関係だ。