そういえば昔、辞書で調べたような気もするな。「まな板」ってのは、そもそも「魚」を切りさばくための台のことだ。
『明鏡』を見てみよう。
まな‐いた【▾俎板・▾俎】
〖名〗
魚・野菜などを包丁で切るときに下に敷く板や台。
▶「真魚(まな)(=食用の魚)板」の意。
これだけじゃあよくわからない。国語辞典ではないけれど『世界大百科事典』を見てみる(一部引用)。
日本では古く魚菜のすべてを〈な〉と呼び,さらに魚だけを〈まな〉と呼んだ。その〈まな〉を切り分けるための板であるところからこの名がある。
なるほど。「真魚」という言葉にはそういう意味があったのか。尚、『世界大百科事典』、プラスチック製のまな板にモノ申したい様子だ。
なお,最近はプラスチック製のものが出回っており,これは使用後の消毒などに便宜であるが,包丁のあたりなどは木製のもののようにはいかない。
まあ、確かにそりゃそうだわな。
ところで、国語辞典で「まな板」を引くと「まな板に載せる」という慣用句があるのだと言われる。考えてみたんだけど「まな板に載せる」というのは使ったことはないかな。「俎上(そじょう)に載せる」という方が一般的だと思うけれどどうだろう。
尚、「まな板」絡みの慣用句といえば「まな板の(上の)鯉」の方が有名か。これは『新明解』が面白い。第四版と第七版どちらも引いておこう。
まず第四版。
殺されるのが時間の問題であり、またどういう方法で殺すかも相手の自由である極限状況に陥った形容
なるほど。では第七版。
俎上の魚の中で、特に、鯉のように往生際の潔いもの。
第七版の方は、ぼくにはちょっと難しい。