今の『広辞苑』に「さよなら」はない。
さよなら
〘感〙
「さようなら」に同じ。
「なんだそういう話か」と思われたかもしれないけれど、実は多くの辞書に「さよなら」はある。『新明解』第七版を見てみる。
さよなら
一(感) 「さようなら」の短呼ニ (1) (自サ)A 別れを告げること B それまでかかわってきた物事や人と縁を切ること
(2) 〔野球で〕後攻チームが同点で迎えた最終回に、勝ち越し点をあげて試合を終了させること
同点じゃなくてもサヨナラゲームはあるだろうとか(逆転サヨナラもサヨナラの一種だろう)、言いたいことはある。
まあそういう話は置いておいても、「さようなら」の短縮版以外の例として「サヨナラゲーム」や「サヨナラ公演」などを挙げる辞書は多い様子。確かに「さようならゲーム」とは言わないように思うな。
ちなみに『岩波国語辞典』も、とくに「さよなら」を説明してはいないものの、「さよなら」の項目に「さよなら演奏会」の例は示している。
きっと『広辞苑』第七版には「さよなら」が立項(空項目ではなくなる)されると思うのだけれど、どうだろう。
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ちなみに今の『広辞苑』。「さようなら」も実は独立した項目ではない。「さよう」の下位項目なのだ。
さよう【然様・左様】
(略)― なら【左様なら】〔感〕(元来、接続詞で、「それならば」の意)別れの挨拶後。