5月30日は「ゴミ0の日」なんだそうで。そんなわけで「ゴミ」を見てみると、それぞれの辞書でかなり気合が入っていて面白い。
今日は「ごみ0」の日だとか。各辞書の「ごみ」が面白い。たとえば「明鏡」は「自然にたまる」熱力学風。
ごみ【塵・芥】〖名〗
自然にたまるきたないもの。ほこり。また、不要になって捨てられるもの。
#辞書 #国語辞典
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2014, 5月 30
「こんなに書くか」と驚いたのが『日本国語大辞典』。用例を除いて引いてみる。
ごみ 【塵・芥】
〔名〕
(1)水の中に浮遊したり、水の底に沈殿したりしている泥。
(2)泥状のもの。
(3)泥や土ぼこり。
(4)その場所をよごしている、役に立たない、きたないもの。ちり、あくた、かす、くずなど。
(5)役に立たず、価値のない、または、とるに足りない人や物を比喩的にいう。
なるほど。これくらい分類しないといけないものか。わざわざ「人」に言及しているのが面白いけど、なかなかキツイ。
どうやら、もともとは泥のようなものを呼び始めたのかな。『広辞苑』にも「泥」が出てくる。
ごみ【塵・芥】
(1)濁水にとけてまじっている泥。
(2)物の役に立たず、ない方がよいもの。ちり。あくた。ほこり。また、つまらないもの。
小型辞典になると、そうした歴史的な部分は省かれる。たとえば『岩波国語辞典』。よくみると漢字も省かれている。こちらの方は用例も興味深いので載せておこう。
ごみ
使って役に立たなくなった紙くずや食物のくず、その他の廃棄物。「―みたいな(=価値の乏しい)論文が多い」
ごみ本来でなく、わざわざ比喩を例示するのがちょっと面白いな。
『岩波国語辞典』とやや似たニュアンスながら、悲哀感が出ているのが『新明解』だ。ちなみにこちらも漢字表記はない。
ごみ
用が終わって、もう捨てられるだけの(捨てられた)物。〔広義では、その場に自然にたまる土・砂・ほこりなどをも含む。
少しさびしくなったりしないだろうか。
『現代国語例解辞典』には、「ごみ」と「くず」の区別がまとめられていた。
「ゴミ」と「クズ」の使い分け via 『現代国語例解辞典』 #辞書 #国語辞典 pic.twitter.com/cTn5CoBxmd
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2014, 5月 30
「ゴミのような人間」とは言う気がするな。しかし「人間のクズだ」の「クズ」を「ゴミ」に置き換えるとちょっと変か。道にあるのは「ゴミ」だが、部屋にあるのは「ゴミ」でも「クズ」でも良さそうだ。
考えてみると意外に難しいぞ!