気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

ちょっと面白い「文句」と「言葉」

「文句」という言葉を日常で使うとき、わりとネガティブな意味を持たせることが多いんじゃないかと思う。

もん‐く【文句】
(1) 文章中の語句。文言。「有名な—を引く」
(2) 相手に対する言い分や苦情。「君の態度に—がある」「—ばかり言う」

上は『広辞苑』第六版。ぼくの生活水準によるのかもしれないけれど、2番めの意味で使うことが多いかなあ。

文句あっか!!―オレとたけしの人生一笑一杯

文句あっか!!―オレとたけしの人生一笑一杯

 

相手に「伝える」のは「言葉」で、言い放つのが「文句」ってケースも多い。ただ、これがときに「逆転」するのが面白い。

すなわち 「売り言葉」と「売り文句」のケースだ。両方ともに、『広辞苑』から引いてみる。

うり‐もんく【売り文句】
商品の長所を強調する言葉。

うり‐ことば【売り言葉】

品物を売りつける時に言う言葉。転じて、けんかをしかける言葉。

「文句」が「長所を強調」する場合で「言葉」が「売りつける」場合や「けんか」に使う言葉なのだ。 

いつ、どうやって、ウリ「言葉」とウリ「文句」の役割が確定したのだろうなあ。

参考までに、『日本国語大辞典』に「売り文句」は立項されていない。

日本国語大辞典 第二版 全14巻セット

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