最近、よく話題にのぼる「炭素繊維」は、炭素繊維に「合成樹脂」を混ぜたものなんだそうだ。
そう言われてみて「樹脂」というのがなんなのかちょっと気になった。よく耳にする言葉だがなんだろう?
「樹脂」というと偉そうだが「やに」のことか。 via 三省堂国語辞典 #辞書 #国語辞典 pic.twitter.com/Lbi4cqKhV3
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2015, 1月 9
『三省堂国語辞典』みてみるとを「やに」のことだとある。なるほど、「樹」からでる「脂」なんだからやにのことか。ちなみに「やに」は次のように定義されている。
木の幹や皮からにじみ出る、水あめのような色の液体。空気にふれるとかたまって、ねばねばした感じになる。
但し、「合成樹脂」はまた別物のようなので、やはり『三省堂国語辞典』で「合成樹脂」を見る。
合成樹脂(名)
化学的に合成して作った、樹脂に似た物質。例、プラスチック・ベークライトなど。
「へ〜」と思ったがちょっとまて。「プラスチック」は果たして「やに」に似ているんだろうか。
『広辞苑』が「三省堂国語辞典の語釈は単純化しすぎだぞ」と異を唱える。
ごうせいじゅし【合成樹脂】
合成した高分子化合物から成り、一定の状態のもとで可塑性を示す物質。初めに作ったベークライト(フェノール樹脂)が天然樹脂に似ていたので、この名が生まれたが、樹脂とは別物。塩化ビニル樹脂・ポリエチレン・尿素樹脂の類。熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂とに大別される。諸種の成型品とするなど用途が広い。
何を言ってるのかぜんぜんわからない(笑)。ただ「合成樹脂」というのは「たまたま」(?)つけられた名前であるらしい。
しかしそれにしてもこの語釈、広辞苑の中でも不親切度でかなり上位にくるんじゃないのかなあ? こういうわけのわからないことを言わなければならないのなら、『三省堂国語辞典』風に全く割りきってしまうのも手だな。
ちなみに『広辞苑』、「合成樹脂」ほどではないけれど「樹脂」も難しい。
じゅし【樹脂】
(resin)植物体から分泌される精油類縁物質の総称。複雑な有機酸およびその誘導体から成る固体。多くは針葉樹から分泌。シェラック・松脂・琥珀など。水に溶けず、アルコール・エーテルなどに溶ける。ワニス製造・電気絶縁材料などに用いる。合成樹脂と区別して天然樹脂ともいう。やに。
植物体というのは植物と解して良いのか。類縁物質とはどういう範囲までの、どのような基準による類縁なのか。複雑な有機酸であることによりどのような特徴を示すのか。固体でなく液体などのものも存在するのか等々。疑問は尽きない。
Wikipediaで「天然樹脂」を見ても疑問が増えるだけであるようだ。
天然樹脂(てんねんじゅし)は、樹皮より分泌される樹液に含まれる不揮発性の固体または半固形体の物質のことである。樹木以外の動植物から得られるものを含めることもある。
諦めが肝心だな。ぼくには「樹脂」や「合成樹脂」を理解することはできない。但し、ある程度の知識は得られた。
得ることのできた知識。
「樹脂」というのはとても化学的に難しいものである。「合成樹脂」は「樹脂」に似ていたり似ていなかったりする。
もう少し化学がわかるオトナになっていたかったな。
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