広辞苑を眺めていた。ふと目についた「いちりん」が気になった。
いちりん【一輪】
(1)1個の車輪
(2)1個の花
(3)名月の称
う〜ん。車輪を言うときも、花をいうときも「一輪」と数えることはわかった。しかしなぜなんだ「輪」を使うんだ?
『現代国語例解辞典』もめくってみた。
【いちりん 一輪】
開いた花や車輪の一つ。
相変わらずよくわからない。ただ「開いた花」に使うのが一般的であるらしい。またこの記述からすると「花」も「車輪」も、どちらかの比喩として「一輪」と呼ぶのではないようだ。
いくつか確認した小型辞典の中で、明確な答えを与えてくれたのは『新明解』だ(第七版で確認。第三版の頃は他の辞書と同じような記述だった)。
いちりん【一輪】
〔車輪、花など〕輪郭が円形の物の単数を表す語。
なるほど。「輪」の形をしているから「輪」で数えるんだな。ごく当たり前の話だった。『日本国語大辞典』にも書いてあった。
いち‐りん 【一輪】
〔名〕
丸いもの一つをさしていう。
(1)太陽または月をいう。
(2)開いた花や車輪の一つ。
なるほどな。
まあもちろん丸いもの何にでも使える数え方でもあるまい。「飴一輪」なんてのは聞いたこともない。あるいは昔は他にも使ったのだろうか? 『大言海』を見てはみたが、こちろも現在と違う用法は載っていないようだった。