『三省堂国語辞典』を眺めていて「海賊放送」に驚いた。「領海の外からおこなう放送」であると定義しているのだ。
海賊放送とは「放送免許」などを得ず、無許可で放送を行うことを言うのではないのか。領海云々は関係ないと思うのだが違うだろうか。
などと思っていたらWikipediaに答えがあった。
この場合の「海賊」の意味は、「海賊版」と同義の「正規の流通ルートを経ない」「法律を無視するもの」と考えてよいが、船に送信機とアンテナを積んで出航し、どこの政府の規制も受けない公海上から放送を行う、という文字通りの形式が「海賊放送」と呼ばれた歴史上最初の事例であり、また多く見られる。
なるほど、『三省堂国語辞典』の語釈は「由緒正しき」語釈であったのだな。但し、現代の用例に強いはずの辞書がいきなり由緒正しくなるとちょっと戸惑ったりはする。
『日本国語大辞典』の語釈も載せておく。
かいぞく‐ほうそう[:ハウソウ] 【海賊放送】
〔名〕
正規の放送局の免許を受けていない者がする放送。
今はこのような使い方の方が一般的なんじゃないかと思う。まあ、オリジナルの意味を勉強できたのは良かったな。