「スクランブルエッグ」を国語辞典で引けば、きっと「かき混ぜながら作る卵焼き」なんてことが書いてあるんだと考えた。
ハズレだった。たとえば『岩波国語辞典』で引いてみると、3番目に「スクランブルエッグ」のことが書いてある。
そうか、「洋風いり卵」なのか。
他の辞書も同じ感じ。『新明解』ならこうだ。
スクランブルエッグ 〔scrambled eggs〕
西洋風の、ふわふわしたいり卵
なるほどなあと思いつつ、しかし「和風との違いはなんだろうか」という疑問が出てきてしまう。きっと少しでも料理をする人にはこの説明でわかるんだろう。
他の辞書も見てみると、『広辞苑』がやや親切だった。
スクランブルエッグ【スクランブルエッグ】
洋風炒り卵。溶きほぐした卵に牛乳などを加えて調味し、バターを使って、かき混ぜながら半熟状に炒り上げた料理。
もしかすると「牛乳」のあたりが「洋風」と「和風」の区別なんだろうか? 「和風」には「牛乳」の代わりに「出汁」を入れるとか?
全然違った。
スクランブルエッグとは違い、パラパラの粒状になるように、十分加熱をした料理である。
なるほど。「和風」は「ふわふわ」でなく「パラパラ」なんだな。「半熟」ではなく「十分加熱」なんだ。(いまさらながら)勉強になった。
でもね。『新英和大辞典』で「いりたまご」を引くと「scrambled eggs」と書いてはあるんだけどね。