「ゲイ」という言葉もちょっと前まで辞書にはなかったなあ。
『岩波国語辞典』第三版にない(1979年)。『広辞苑』第三版にもない(1983年)。『新明解』の第三版にもない(1981年)。『岩波国語辞典』は第四版にもない(1986年)。
しかし最近は載せているのかな。たとえば『新明解』第七版には次のようにある。
ゲイ〔gay〕男性同士の同性愛者。
『広辞苑』も第六版は「(男の)同性愛車」の語釈を載せている。もっと前の『三省堂国語辞典』第四版(1992年)も載せているな。
80年代末あたりになにかブレイクスルーがあったのかな。ちなみに『日本国語大辞典』では用例として藤本義一の『男の遠吠え』(1974-1975)からの文章をひいている。
80年代といえば「エイズ」が注目を集めた頃ではあるけれど、それが何らかのきっかけになったんだったかなあ。
せっかくの「同世代人」であるのに、歴史をきちんと体感していないことが悔やまれる。