うっかりと台風はなぜ「台風」というのかな、なんて考えてしまった。台風の「台」にどんな意味があるのだろう、なんて。
そんなことを考えてしまったのはちょっと恥ずかしいな。「台風」はもともと「颱風」と書いた。そんなことはぼくでも知ってる。「台」という字を使うのが本式じゃないんだ。
疑問にもつなら「颱」の字はどういう意味だろう、でなくてはならなかった。
では「颱」はどういう意味か。『字通』をみてみた。意味の箇所に次のようにあった。
[1] たいふう。
がーん。以上、終了だな。
でもそれだけでは寂しいので『新漢和大字典』で「颱」をみてみた。面白いことが書いてあったぞ。意味の欄の注釈的部分。
福建省や台湾地方で、おおかぜを大風(タイフーン)と呼ぶ。それを西洋人がtyphoonと音写し、アジアに逆輸入され、颱風というようになったといわれる。
「大風」を「タイフー」と読み、それが「typhoon」になって、さらに「颱風」になったと。
まあこれ、いろいろ見てみると諸説あるらしい。『広辞苑』の説明を引いておこう。
そうなのか。ちょっと残念だな。
なお、小型辞典ながら『岩波国語辞典』が頑張っていたので引いておく(注釈部分のみ)。
二十世紀初頭typhoonに合わせて、気象台長岡田武松が「颱風」と呼んだのが始め。それ以前は「大風(おおかぜ)」「野分(のわけ)」などと呼んでいた。
いろいろ勉強になった。ちなみに「のわけ」はぼくの誤表記ではなく本当にそう書いてある。「のわき」でなく「のわけ」という読みもあるのだと、今、初めて知った。
で、関係無いけれど、ぼくは「台風クラブ」が大好きだ。すげー映画だったな。