たいていの辞書には「鉄人」が立項されている。ただぼくは、この「鉄人」というエントリーをみるとちょっとどきっとしてしまうのだ。
なぜか。ぼくは「鉄人」を見て「え、この辞書は『鉄人28号』を立項しているの?!と思ってしまうからだ。
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そんなわきゃあないのだ。
今「鉄人」と言えば、一般的に「鉄人レース」すなわち「トライアスロン」を指す。なので最近の辞書は一般的にトライアスロンのことを説明するために「鉄人」を立項している。
ふむ。
確かにそれはそうなんだが、鉄人ってのは、世代によって指す人が違うのだろうなあと考えた。さっきも書いたように、ぼくの世代なら「鉄人28号」だ。子供の頃使っていたシャンプーの容器も鉄人28号だった。鉄人28号は、コントローラーがおしゃれだったんだよな。
ぼくにとっては未だに「鉄人」の「ホンモノ」は「鉄人28号」であって、他の意味で使うのであれば、それは「比喩」ということになる。
たとえば衣笠だ。
衣笠は確かに「鉄人」とよばれて良い存在なのだろう。ただし、ぼくにとっては「鉄人28号のように頑丈な衣笠」というふうに意味が伝達されるのだ。
もう少し世代が新しくなれば鉄人とは「室伏広治」なのかもしれない。
ときに室伏は「鉄人」と呼ばれたけれど、やはりぼくにとっては「鉄人28号のように力持ち」というように伝わった。
徐々に、鉄人28号はもちろん、衣笠も、そして室伏も、「過去の人」(鉄人28号は人じゃないけど)になる。そうなると「鉄人」の語はトライアスリートのみをイメージさせるようになるんだろうか。それはそれでちょっとさびしいじゃないか^^。