辞書を引いたら「りょくか」(緑化)という言葉がなかった。
写真は『広辞苑』。「りょこうおうしょく」の次が「りょくがん」になっていて「りょくか」がない。
実は『新明解』にもないし『明鏡』にもない。ちなみに『新明解』の場合、「緑黄色」に続くのは「緑玉石」(エメラルド)、『明鏡』(第一版)では「緑酒」(上質の酒のことだそうだ)。今の時代「緑化」が載っていないのは、ちょっとおかしいのではないか。
と、思ったりもしたけれど、もちろんおかしいのはぼく。「緑化」は「りょくか」ではなく「りょっか」と読まなければならないらしい。
『広辞苑』も「りょっか」なら載っている。「りょくか」が空項目にもないってことは「りょっか」と読まなければ間違い、というのが通説なんだろう。
『三省堂国語辞典』などでは「りょくか」をみると「りょっか」を見ろと指示される。けれど、「りょくか」を立項していない辞書の方が多数派らしい。
「りょっか」ってのは音便形じゃないのかよ、悔しく思いつつも、まあ勉強になったから良いかと考えようとした。
しかし話にはまだ複雑な要素があった。『広辞苑』と同じ出版社の『岩波国語辞典』だ。
こちらは「りょっか」が空項目となり、さらに「『りょっか』とも言う」とある。
とりあえず「りょくか」と読んでいたぼくも「恥じる」必要はないみたいだけれど、しかし一般的には「りょっか」なのかもしれない。