『三省堂国語辞典』を眺めていると「はらかわ」という語に出会った。
見たことがない。魚だかワニだかの「腹の部分の皮」なんだそうだ。しかし、だからなんなんだ?
魚だかワニだかの「腹の部分の皮」だと言われても、いったいどういう場面で使えば良いのかわからない。なぜ「ライオンの腹皮」ではないのか、イルカはどうなんだろう。
気づけば「牛はどうですか、豚もそうですか。教えてください」と歌いそうになる(たいてい通じないだろうな)。
もちろんこうやって意味がわからないときには他の辞書を見る。「まあ広辞苑あたりが標準かな」と見てみたが、『広辞苑』に「腹皮」はない。しょうがないので「なんでも載せる辞書」と呼んでいる『大辞泉』を見てみたけれどこれにもない。もしかして古語なのかと『古語大辞典』なんかを探してみたけれどみつからない。
結局、参照した辞書では『日本国語大辞典』と(なぜか)『新明解』が載せるのみだ。『岩波国語辞典』にはないし『明鏡』にもない。『角川国語中辞典』にもなかったな。
ちなみに『新明解』の語釈はこんな具合だ。
はらかわ【腹皮】
魚の腹の部分の皮。
わはは! わからねえぞ。
『日本国語大辞典』はこんな感じ。
はら‐かわ[:かは] 【腹皮】
〔名〕腹部の皮。
使い方なんかがわからないのは一緒だが、こちらでは「魚」しばりが解けているな。「腹皮に隙がなくなるくらいカレーを食った」とか使えるんだろうか。わからない。
結局国語辞典を見ても「腹皮」という言葉の使い方やなんかはわからないみたい。なぜ載せたのかもよくわからない。
いろいろ悩んだんだけど、なんと思いがけないところでこの言葉を見つけた。cookpadだ。
ふむ。もしかすると料理の世界ではよく使う用語なのかな。あらゆる生物の血を見ると気持ち悪くなってしまうぼくは料理などできない。だから知らなかっただけなのかな。
それにしても、唯一の大型国語辞典である『日本国語大辞典』と、小型辞書の代表格にのみ掲載され、他に載っていない(ぼくが見てみた範囲の話)のはなんだか面白い。
また『三省堂国語辞典』が「魚orワニ」で、『新明解』は「魚」。そして『日本国語大辞典』が限定なしなのも面白いところだ。
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