知っているだろうか?! とか書いても、みんな知ってることなんだろうなあ。「しがらみ」とは「柵」(さく)のことなんだそうだ。
ぼくは知らなかった…
上の写真は『広辞苑』。
しがらみ【柵】
水流を塞きとめるために杭をうちならべて、これに竹や木を渡したもの。
ということらしい。
『新明解』が語釈の中に記す例文には次のようにある。
ビーバーは、いわば川の流れにしがらみを設けて巣を作る。
ちなみに語釈は次のようになっている。
しがらみ
(A)打ち並べたくいに、竹や木を横向きにからみつかせて水流をさえぎる仕掛け。
(B)その人にまつわりついて離れず、何かにつけて(心理的に)束縛を受けるもの。「義理のしがらみがあって損な仕事を請け負ってしまった」。
ぼくはこの(B)意味しか知らなかった。
なんで「柵」を「しがらみ」なんていうんだろう。「まさか『しがらむ』なんて動詞があるのか」と思えばあった(『古語大辞典』)。
しがらむ【柵む】
一(1)からみつける。(2)「柵(1)をつくる。(3)さえぎり止める。
二絡みつく。妨げになる。
一(1)の用例として短歌があげられている。ひとつだけ引いておくとこんな感じ。
秋萩をしがらみ伏せて鳴く鹿の目には見えずて音のさやけき(古今・秋上・二一七)
はあ。遠い昔にお勉強したような気もしてきたな、そういえば。でも現代語の「しがらみ」と同じものだと発想しなかった気がする。
ともかく。「柵」(さく)としての「しがらみ」。「玄関のところのしがらみにね」なんて風には使わないんだと思うけど、どうなんんだろうな。あるいは「排水口のしがらみ」なんて感じで使ったりするんだろうか。