ガキの頃に関西に住んでいた記憶でいうので間違っている可能性が高いけれど、関西ではあまり「シラタキ」なる言葉を使わなかった気がする。「シラタキ」のようなものを指していっていたのは「いとこんにゃく」だ。
ガキの記憶なのであやしいが、ぼくらは「いとこんにゃく」を指して「イトコン」と略していたように記憶する。
なんとなく「へー、関東では『シラタキ』というのが普通なんだな」なんて思っていたんだけど、ちょっと衝撃の事実に出会った。
すなわち、国語辞典的には「いとこんにゃく」というものは存在しないらしいのだ。
『日本国語大辞典』をみる。
いと‐ごんにゃく 【糸蒟蒻】
(「いとこんにゃく」とも)
細長く切ったこんにゃく。しらたきより太めのもの。
そう。「正式名称」は「いとごんにゃく」であるらしい。
もちろん他の辞書もみてみる。たとえば『広辞苑』も「いとこんにゃく」での立項はない。
いとごんにゃく【糸蒟蒻】
紐のように細かく切ったこんにゃく。
ふーむ。ぼくは「いとごんにゃく」なんて言葉をきいたことはないが、『新明解』も「いとごんにゃく」で立項している。
「いとこんにゃく」を立項する辞書がないではないが(『明鏡』は「いとこんにゃく」で立項している)、どうやら「いとこんにゃく」は少数派らしい。
ほんとうに世の人々は「いとごんにゃく」なんて言葉を使っているのかな。ちょっと近場をリサーチしてみようと思う。