新聞を読んでいると「氷山になる」という表現をみかけた。南極大陸にあった氷が割れて流れだした、って話を伝える記事だ。どうやら氷山は、「ある」か「ないか」でなく、「なる」ものであるらしい!
恥ずかしいぼくは、海にある大きな氷が氷山なのかと思ってた。小さければ流氷とか海氷、めちゃくちゃ大きくなれば「氷山」って具合かと思っていたわけだ。どうやらぼくは半世紀の間を「てきとうで自分勝手な定義」で生きてきたらしい。
氷山について『日本国語大辞典』にわかりやすい定義があった。
ひょうざん【氷山】
(1)高緯度地方の海上を浮遊する巨大な氷塊。氷河の一部が海に流れでたものと、陸地を囲む氷壁が砕けて浮遊するものとがあり、海水が凍結してできた海氷とは異なる。海面からの高さが100メートル以上のものもある。(2)氷の山。
他にもいろんな辞書をみてみると、
- 極地付近にある。
- 陸地由来の氷塊。
このような条件を満たさなければ、「氷山」と呼んではいけないらしい。単に寒くて海の水が凍ったものは、どれだけ巨大になっても「氷山」ではないのだ。
氷といえば、以前にはこのブログで「氷河」についての記事をかいた。「氷河」ってののにもいろいろと定義があって、日本に氷河があると認められたのはなんと2012年のことって話だった。
「氷山」も「氷河」も、うっかり自分なりの勝手な定義で使ってしまいそうな言葉だ。
もちろん、新聞にいきなり「氷山になる」なんて表現が出てくるのだから、ぼく以外の人にとっては「常識」なのかもしれない。まあぼくは、記事にあった「氷山になる」という表現にちょっと感動してしまったのだった。