またしても恥ずかしい話をしたい。
ぼくは結構な期間を近畿地方(大阪)で過ごした。そんなぼくなんだけど、「近畿」って言葉の意味を知らなかった。どうやら本来「一般名詞」である様子。
たとえば『広辞苑』で「近畿」をみる。まず「一般名詞」として定義されている。
てっきり「近畿」を引けば「近畿地方」の説明が出てくるものだと思っていた。しかし「地方名」でない「近畿」という言葉があるのだなあ。「皇居の所在地に近い」とかいったら、東京じゃん。
(繰り返し書いておくけれど、世間の常識なのかなあとは思う。でもぼくは知らなかった…)
ちなみに『明鏡』は「近畿」を引くと「近畿地方」の説明が出てくる。
きんき【近畿】
京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・滋賀・三重の二府五県からなる地域。近畿地方。
『三省堂国語辞典』ももちろん『明鏡』と同様に、「近畿といえば近畿地方」の立場にたつ。
ちなみに『岩波国語辞典』には「近畿」も「近畿地方」も載っていない。
それはともかく、まあ気になるんだから『日本国語大辞典』もみてみたい。
きん‐き 【近畿】
【一】都に近い国々。日本では、京都付近の国々。→畿内(きない)。
【二】「きんきちほう(近畿地方)」の略。
最初の定義は「都に近い国々」という一般名詞だ。
「畿内」という言葉を参照しろとあるので、そちらも見てみる。
き‐ない 【畿内】
(「畿」は、みやこの意)
【一】〔名〕昔中国で、王都を中心として四方500里の天子直属の地のこと。王城付近の地。
【二】日本で、朝廷のあった主都周辺の四ないし五か国の総称、また、その範囲内に属する地。五か国の場合は、山城(京都府)、大和(奈良県)、河内(大阪府)、和泉(大阪府)、摂津(大阪府と兵庫県の一部)をいう。うちつくに。五畿内(ごきない)。
なるほどなあ。全く知らなかった。近畿のひとたち(ぼくも近畿のひとだったんだけど)はたいてい知っているのかなあ。「どういう意味だろう」とすら思ったことのない自分にちょっとびっくりだな。