「発芽」は「芽を発する」なんだけど、でも「芽」がでなくても「発芽」と呼ぶのだそうだ。
『新しい高校生物の教科書』(栃内新、左巻健男)に次のようにある(ちなみにこの本はとてもおもしろい)。
やがて、胚が種皮をやぶって出てくる。これが発芽だが、最初に出てくるのは「芽」ではなく「根」のほうだ。
なるほど。土に植えていると、地上に出てくる「芽」をみて「発芽」と呼びそうになるが、「根」が先に出るのが普通だったっけ。
国語辞典的にはどうなのだと、『日本国語大辞典』をみてみる。
はつ‐が 【発芽】
(1)めぐむこと。植物が芽を出すこと。休止していた芽(休眠芽)が生長を始めること。さらに花粉、胞子などからその世代の植物体の発生が始まることをもいう。種子の場合は種子中の幼芽や幼根の生長の開始をさすが、一般にはこのどちらか一方が種子外に現われ出たときをもって発芽としていることが多い。芽生え。出芽(しゅつが)。
(2)転じて、感情、意識、構想などが生ずること。
芽か根の「どちらか一方が種子外に出たときをもって発芽としている」そうだ。
なるほどなあ。
ただし、このような語釈は少なくとも国語辞典的にはマイナーかもしれない。たとえば『広辞苑』をみる。
はつ‐が【発芽】
種子・珠芽・胞子などが適当な温度と水分とを得て芽を出すこと。めばえること。
こちらは「芽が出るのが発芽だ」という立場。『岩波国語辞典』もごく簡単に「芽を出すこと」と定義している。
もしかすると種子ないし植物本体から出てくる「未発達の組織」を総じて「芽」と呼ぶのかもしれないけれど、不勉強なぼくにはその辺はよくわからない。
いつか、もうちょっとだけちゃんとお勉強しておきたい。
新しい高校生物の教科書―現代人のための高校理科 (ブルーバックス)
- 作者: 栃内新,左巻健男
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/01/21
- メディア: 新書
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