ぼくは52歳だ。給食に「鯨」が出ていた世代。そしてその鯨をとるのは「南氷洋」だった。
ぼくの世代で「南氷洋」という言葉を知らないのは「ちょっとおかしい」感じ。しかしどうやら、この言葉、死語になりつつあるらしい。
それに気づいたのはつい先日。40歳くらいのひと二人に「南氷洋」という言葉を聞いたことがあるかと尋ねたときのことだ。二人ともに「南氷洋」という言葉を聞いたことがないと答えた。
「あれ、このひとたち馬鹿なのかな」とか思いつつ、国語辞典をひいてみた。『日本国語大辞典』が簡にして要か。
つまり「南氷洋」という言葉は古い、ないし非公式だということだ。手持ちの辞書ではほぼ、日本国語大辞典と同様の説明になっている様子。
ぼくの子供の頃は、「南氷洋」という言葉は「オフィシャル」な言葉だったように思う。幼児期の刷り込みで「鯨」といえば「南氷洋」が浮かんだりもする。
ともかく。そういえば最近は「南氷洋」なる語をきかないな。いつごろから、どうしてこの語は使われなくなったのだろう。
あれだけメジャーだった語が「死語」になりつつあることを知り、ちょっと驚いているのだった。