ぼくは昭和41年生まれ。小学生の頃、王道の(?)趣味として「切手集め」があった。集めた切手は台帳などに貼り付けて保管しておくのだが、その際に使う道具に「ヒンジ」というものがあった(ヒンジとは何かってのはこちらから)。
その、切手集めの必需品だった「ヒンジ」が、国語辞典に載っていないことに衝撃をうけた。
多くの辞書では「ヒンジ」を立項すらしていない。もちろん『日本国語大辞典』なら、項目は立っている。
ヒンジ({英}hinge )
(1)蝶番(ちょうつがい)。また、蝶番状のもの。
(2)建築の際の継ぎ手の構造形式の一種。上下・左右に対しては伝達するが、回転は伝わらない支点あるいは接点。蝶番の原理と同じ。
しかし、王道趣味(笑)の、切手集めに使うヒンジには全く言及していないのだ。
「切手集め」など過去のものになったからかなあとも思うけれど、手持ちの古めの国語辞典をざっと見ても見つからない。「ヒンジ」というのは(必需品だったんだけど)、ごく一部でのみ使う用語であったのかなあ…。
寂しいのでいろんな辞書を見てみた。しかし手持ちの国語辞典では切手集めに使う「ヒンジ」を載せているものを確認できなかった。
唯一載せていたのは『ランダムハウス英和大辞典』だ。長くなるけれど、例文を除いて転載しておく。
hinge
n.
1 (ドアなどの)ちょうつがい,丁番
2 ちょうつがいのような働きをするもの(ひざの関節,二枚貝のちょうつがいなど).
3 *1 かなめ,基点,中心点.
4 〔切手収集〕 ヒンジ:切手をアルバムに張るときに使う,片面に糊(のり)付けしたパラフィン紙片.
5 〔製本〕
(1)のど布[ぎれ]:本の中味と表紙を丈夫につなぎ合わせるために用いる紙または布.
(2)溝.
6 *2 (一目)見ること(look).
━━ v.i.
1 (…)次第である*3
2 ちょうつがいで動く.
━━ v.t.
1 *4 ちょうつがいを[で]取りつける.
2 (ちょうつがいでするように)取りつける.
3 …を(…)次第とする;条件づける*5
4 〔切手収集〕 〈切手を〉ヒンジを使って張る.
なるほど。動詞でも使うのだなあ。「ヒンジの存在は夢ではなかった」(あたりまえ^^)と、ちょっと嬉しくなった。