「優生保護法」が話題だ。しかし「優生」ってのは、なんだか「すごい言葉」っぽくて気になる。
ナチス・ドイツの断種法を参考にして1940年に制定された国民優生法を引き継ぐ形で、48年に施行された。 via #日経新聞
— maeda hiroaki (@torisan3500) May 17, 2018
旧優生保護法とはhttps://t.co/hBHhdCjlM4
この「優生」なる言葉について、『日本国語大辞典』もかなりあからさまだ。
ゆう‐せい【優生】
良質の遺伝形質を保って、子孫の素質をすぐれたものにすること。
やはりかなり刺激的な言葉だ。「優生」あたりを見渡すと、「優生学」も目に入る。
ゆうせい‐がく【優生学】
人類の遺伝的素質の低下を防ぎ、優秀または健全な素質を高めることを目的とする学問。一八八三年、イギリスの遺伝学者ゴールトンが提唱。
そうとうにアレな言葉だが、もちろん小型辞書にも載っている。『新明解』で「優生」をみてみる。
ゆうせい【優生】
悪い遺伝を避けようとすること。
何が「悪い遺伝」なのかとか、どう「避ける」のかについては言及せず、頑張って中立的立場を保っていると言えるのかな。
ともかく、危ない言葉っぽいことはわかった。で、どういう場合に使うかなと思ったけれど、そういえば「優生保護法」という固有名詞の中でしか利用シーンが見えない。ふだんは目にしない(目にすべきではない?)言葉なのかもしれない。
ちなみにコーパスを使って「優生」をみると「俳優生活」の語が多くひっかかって困る。
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