気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「ハンバーガー」とは「ハンバーグ」のこと!

COD(Concise Oxford Dictionary)を眺めていると、「hamburger」の語が目に止まった(今更CODの12版を買って、嬉しくて毎日眺めているのだ^^)。

hamburger
n. a round patty of minced beef, fried of grilled and typically served in a bread roll.

ぼくは自分の無知さに声を失った(笑)。

CODに曰く、ハンバーガーとは「ミンチ肉のパティで、たいていパンに挟んで食べるもの」だとのこと。

もう人生の折り返しをとうに過ぎただろうぼくは、ずーっと「ハンバーガー」とは、「ハンバーグをバンズに挟んだもの」のことであると思っていたよ。

 OALDでも同じような感じだ。

humberger
1 finely chopped beef made into a flat round shape that is then fried, often served in a bread roll.
2 mince

どちらにも「パンにハンバーグを挟んだもの」という定義はない。肉パティのことだよ、と述べるのみだ。

ひょっとすると常識?

でも日本では中の肉パティを指して「ハンバーグ」とは言わないような気がする。日本ではバンズに挟んだ肉パティを総体としてハンバーガーと呼ぶんじゃないの?

そう思って国語辞典を見てみた。たとえば『三省堂国語辞典』。

ハンバーガ
ハンバーグをはさんだ丸いパン。バーガー。

ほら、やっぱ日本ではそうなんじゃん! そう思いつつ『岩波国語辞典』を見ても同じ説明だ。

しかし念の為にと、『岩波国語辞典』は第三版も見てみた(現行は第七版)。すると驚いたよ。

ハンバーガ
ハンバーグ。また、ハンバーグをパンにはさんだもの。

うげげ。第三版時代には「ハンバーガー=ハンバーグ」だったらしい!

それならば、と、『三省堂国語辞典』の方も第四版をみてみる(現行はこちらも第七版)。

ハンバーガ
ハンバーグ(をはさんだパン)。

なんと! こちらも「ハンバーガー=ハンバーグ」であるとしている!

でもぼくは「ハンバーグ」のことを「ハンバーガー」という用法に触れたことがないような気がする。「ハンバーガー=ハンバーグ」だったのは過去の話なんじゃないの?

そんなことを思いつつ、『広辞苑』の第七版を引いてみた。

ハンバーガ
(1)ハンバーグ・ステーキを丸いパンに挟んだもの。バーガー。
(2)ハンバーグ・ステーキに同じ。

ふむ、今でも「ハンバーガー=ハンバーグ」という用法はあり得るらしい。すなわち、そんな用法など見たことがないと主張する、ぼくが無知だということ。

 「でも実際のところ、ハンバーガーっていえばバンズに挟んだものなんじゃないの?」と足掻いてみたりはする。でも「ハンバーガー・ヘルパー」なるプロダクトは、どうみても「バンズ」に関係のない、単なるひき肉料理キットだ…。

 やっぱり、ぼくがものを知らなかっただけってことらしい。

それでも諦めきれない(自分が無知野郎だというのが寂しかったのだ^^)ぼくは、「じゃあお前ら(英語国の人間)は、ひき肉のカレーをハンバーガー・カレーとでも呼ぶのかよ、けっ!」とか思いつつ、「hamburger curry」でGoogleってみた。

惨敗でございました。結果はみなさんでお確かめくださいませ。