『日本国語大辞典』で「ドア」を引いてみた。なかなか素敵な語釈だった。
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曰く「家屋や乗り物などの、おもに蝶番(ちょうつがい)で開閉する方式の扉」。
反射的に「引き戸はドアじゃねえのかよ!」と言いそうになるが、「引き戸」は文字通り「戸」。「ドア」は「戸」とは別物であるということなのだろう。
30秒くらい感心して(これは深く感心したという意味だ)、「ついでに」と他の辞書もみてみた。
たとえば『岩波国語辞典』。
ドア
洋風の戸・扉。▷ door
ここでもやはり「戸」は「戸」であり「ドア」ではないという主張が見える。この語釈は『広辞苑』でもまったく同じ。ちなみに『新明解』もまるっきり同じ(細かくいえば『新明解』は「扉」が「とびら」とひらがなになっている)。
「ドア」は「ドア」、「戸」は「戸」であるというのが通説なんだな。
と、そう理解しかけたとき。
勢いで『三省堂国語辞典』をみると、ぼくの「理解」が崩れていった。
ドア
戸。とびら。ドアー。
「ドア」とは「戸」であり「ドアー」であると。
『大辞泉』も同様に、「ドア」を「戸。扉。」と定義する。
ま、要するに「ドア」は「戸みたいなもの」ということで、両社の間に絶対的な区別はないよってことなんだろうな。一瞬、「戸とドアの違い」を見つけたような気になったぼくとしては残念な結論ではある。
閑話休題。
「ドア」なんて言葉を辞書で引いてみようと思ったのは、実はCODがきっかけだった(最近、隙間時間があるとパラパラCODをめくる日々だ)。
door
1 a hinged, sliding, or revolving barrier at the entrance to a building, room, or vehicle, or in the framework of a cupboard. 2 the distance from one building toanother: he lived two doors away.
ぼくはこの「barrier」という言い方を面白く感じたのだった。へー。で、こっちにはslidingの語もあるな。すなわちCOD的には「戸」も「ドア」なんだろう。
読み返してみると「だからなんだよ」って記事だけど。まあぼくはそういうことが面白くて愉快に生きてますって話だ(^^)。