ファッションなんてものに縁遠いがきんちょだったせいか。ぼくは「ズック」ってのは、ある種の「靴」を指す言葉なんだと思っていた。
でも「ズック」ってのは「靴」のことじゃないそうだ。
「ズック」なんて言葉を久しぶりに気にしたのは、国語辞典で「鞄」をひいてみたからだ。引いたのは『新明解』だ。
かばん【鞄】
〔もと、皮をなめす意で、カバンの意は明治以降の日本的用法〕書類その他を持ち歩くのに使う用具。革・ズックなどで作る。
おおっ! 「ズック」とは、何かしら形をなしたものではなく、素材であるらしい!
でも小学生の頃(ぼくは大分県杵築市という、山しかない ― 当時の話だ ―地方に住んでいた)、ぼくたちは靴のことを「ズック」と呼び習わしていたんだがなあ。
「まったくの間違いだったのだろうか」と辞書(『広辞苑』)を引いてみた。
ズック【doek オランダ】
(1)麻または綿の大撚糸で地を厚く平織りにした織地。多くインドから産出。テント・靴・鞄・帆などに使用。
(2)ズックで作った靴。ズック靴。
なるほど。素材としてズック以外に、ズックを使った靴のことを「ズック」と呼ぶんだな。ぼくの「ズック=靴」という認識も、100%の間違いではないわけだ(負け惜しみ)。
ちなみに、Amazonで「ズック」を検索すると、靴とともに鞄もかなりヒットする。
「ズック=靴」と認識している物知らずは少数派なんだろうな。
ところで「ズック」とは「doek」(オランダ語)。英語でも使うらしいけれどあまりメジャーではないみたい。『ランダムハウス英和大辞典』には載っている(意味はちょっと異なる)けれど、CODには載っていなかった。
ズックを知らない自分を大いに恥じたけれど、ま、いろいろ勉強になったから良しとする。
- 作者: Milan Kundera,Martin de Haan
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