『例解小学短歌・俳句辞典』ってのを読んでいた。すると「匙とはスプーンのこと」なんていう注釈を見つけた。
「匙」(さじ)に注釈がいるのか!
— maeda hiroaki (@torisan3500) January 26, 2019
> 「匙なめて童たのしも夏氷」(山口誓子)。「夏氷」はシロップをかけて食べるかき氷のことです。「匙」はスプーンのこと。
via 『例解小学短歌・俳句辞典』
「夏氷」に注釈が入るのは、まあ普通のことに思える。でも(ぼくの年代にとって)「匙」は「スプーンのことですよ」という注釈が入るのはちょっと驚きだ。
今の子供たちは「匙」という言葉を知らなかったりするのかなあ? 大さじ・小さじという言葉があるので、知らないってことはなさそうに思うけど…
そんなことを思いつつ、「わかりやすさ」がウリの『三省堂国語辞典』で「匙」をみてみた。
さじ〔匙〕
(名)〔(茶さじ)〕から〕
液体や粉をすくい取る道具。
ふむ。確かによくわかんないかもしれないな。語釈も難しいし、語誌の「茶さじから」ってのも、ほとんど意味がわからない^^。「匙」に注釈がはいるのも「ふつう」のことなのかな。
ところで。小学生くらいに「炬燵」を知っているかと尋ねると、「おばあちゃんのうちで見たことはある」と言われて驚くことがある(もう慣れたけど)。ぼくの子供時代、おばあちゃんのうちには「火鉢」があったものだがなあ^^。
時代は変わっているのだ。
そういえば。スプーンの仲間(?)である「フォーク」。あいつは日本語でなんていうんだ?
わからないので『日本国語大辞典』で「フォーク」を引いてみた。
フォーク
({英}fork )《ホーク・ボーク・フォク》洋食で食物を刺して口に運ぶ用具。肉用、魚用、デザート用などの別がある。肉さし。肉叉。
「肉さし」とか「肉叉」とかいうらしいよ。そんな言葉使ったことがないけれど、たしかに辞書をみると載っている。たとえば『広辞苑』の「肉さし」はこんな感じ。
にくさし〔肉刺・肉叉〕(江戸後期から明治期にかけての語)フォーク。
「肉叉なんていうと、なんだかルントーとチャーをとりにいく話みたいだな」なんて思いつつ、「江戸後期から」って言葉も気になる。(たぶん)その頃に「フォーク」が入ってきたんだろうな。やっぱり天皇家とか将軍家にまず入ってきたんだろうか。
『食器の歴史』なんて本があれば、たぶん面白いんだろう。ぼくに読みこなせるかどうかはわからないけれど。