なぜか、ぼくの中では「ピグミー」という語は「メジャーな言葉」扱いだ。昔からよく耳にしたように思う。ただし、「ピグミー」の意味を間違って覚えていたようだ。
ピグミーPygmyという呼び名は、成人男子の平均身長が150㎝以下の集団のことを呼ぶ名で、その語源は、ギリシャ語の「ひじからこぶしまでの長さ」をあらわす単位だといわれている。
— maeda hiroaki (@torisan3500) 2019年3月23日
via 『世界がわかる地理学入門』(水野一晴)
これまで、「ピグミー」というのは「種族名」だと思っていた。しかしそうではなく、上にある条件に当てはまる人類を総称して「ピグミー」と呼ぶのだそうだ。
「へー、そうなんだ!」と思って、もちろん国語辞典をひいてみた。だけど、「ピグミー」を立項している国語辞典はとても少ないみたい。
ちらと見てみたところでは『岩波国語辞典』、『三省堂国語辞典国語辞典』、『新明解』などはいずれも載せていない。『日本国語大辞典』や『広辞苑』には載っていたので、『日本国語大辞典』を引いておく。
ピグミー(Pygmy, Pigmy )
成人男子の平均身長が一五〇センチメートル以下の民族の総称。アフリカと東南アジアの熱帯降雨林地帯に散在する狩猟採集民。
たしかに「総称」となっているな。多くの辞書が載せていないのは、差別語的なニュアンスがあるからなんだろうか。こちらはよくわからない。
なお、上に引いた『世界がわかる地理学入門』は(当たり外れのむちゃくちゃ大きい)ちくま新書。このところ「はずれ」ばかり読んでいたんだけど、この本はあたりだなあ。
ただし、書籍の中にストーリーはなく、読者は自らの興味と知識に応じて楽しむということになる。「米作に適している雨量はどの程度なのか」レベルの知識は必須。気象条件による動物形態の変化なんてことも、雑学レベルで良いのでおさえておくと楽しめる。
世界がわかる地理学入門――気候・地形・動植物と人間生活 (ちくま新書)
- 作者: 水野一晴
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2018/03/06
- メディア: 新書
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ところで、「ピグミー」が一般的な語であると思い込んでいたぼくは、「ピグミー」でもAmazonを検索してみた。するとやはりあまり多くはヒットしない。死語化しようとしているのかどうか。
話はかわるけど、つい最近、(なかなか優秀な)小学6年生3人(男2、女1)と話をする機会があった。そこで驚いたことに、彼らは「ネイティブ・アメリカン」という言葉は知っているのに、「インディアン」という言葉を知らなかった。
もしかすると、彼らの知識が偏っているだけの話なのかもしれない。しかしもしかすると、それは「教育の成果」なのかもしれないな。