気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「咲き残る」の意味とは?

国語辞典を眺めていて、「咲き残る」という語に出会った。

「咲き誇る」はわりときくけれど、「咲き残る」という言葉はあまり聞いたことがないように思う。「みんな咲いてから散ったのに、まだ元気に咲いている」という意味だろうか?

 


君は薔薇より美しい / 布施明(1979)

というぼくの考えは半分正解だった。

日本国語大辞典』をみる。

さき‐のこ・る 【咲残】
(1)他の花の散った後まで散らないで咲いている。
(2)咲くのが他の花よりおくれる。咲かないまま残っている。

嗚呼。日本語にはたまにあるよね。「咲き残る」には「まだ咲いている」という意味と「まだ咲いていない」というふたつの意味があるそうだ。

ちょっと下品かもしれないけれど、たとえば「咲き残った彼女」なんて表現をした場合、たとえば「いかず後家」という意味にもなりそうだし、あるいは「有閑マダム」なんて意味にもなるわけだな。

もうちょっと上品に(?)、「咲き残った花」という直接的な表現を考えてみよう。この場合「まだ咲かない若い花芽」という意味もありそうだし、いじわるく言えば「老醜をさらす花」なんて意味にもなりそうだ。

日本語にはしばしばこういう「真逆じゃん」みたいな意味をもつ言葉がある。「そうそう! あの言葉もそうだったよね!」と盛り上がる準備はできている。ただ、どの言葉がそうだったか、思い出せずにいて気持ち悪くなってしまっているところ…なう(^^)。

「あれだよあれ」と思い当たる方には教えていただきたい…。