気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「なさい」は「尊敬語」?

『小学新国語辞典』をみていて「なさい」が立項されているのに気づいた。

なさい
人に命令するときの言い方。(例)家に帰りなさい/本を読みなさい。

子供はしょっちゅう命令されるから、そのために小学生用辞書に載せているのかなと思ったら違うみたい。手元のたいていの辞書に立項されている。

広辞苑』をみてみる。

なさい
「なさる」の命令表現。

ふむ。そりゃそうだろう。そりゃそうだろうけど、なんで「なさる」の命令表現をわざわざ立項しているのかな。

日本国語大辞典』にもある。

なさい
(四段活用動詞「なさる」の命令形)
〔一〕動詞「しろ」「せよ」の尊敬語。
〔二〕補助動詞として用いる。動詞の連用形をうけるもの、また「お」「ご」を冠した動詞連用形や名詞をうけるものがある。

ふむ。同じような話だな。ただ「語誌」欄が面白い。

(1)「なされ」の変化したものとして「なさる」の命令形とするが、「なさいませ」の下略とする考え方もある。近世中頃から現われる。

へー。どのように生まれたのか、定かでない部分もあるんだな。

なんてことを思いながら小型辞書もみていると、『新明解』も面白い。「なさいませ」の下略とする考え方もある

なさい
(「なさりませ」の変化「なさいませ」の省略形)(略)尊敬語に由来するものではあるが、立場が上の者に対しては用いられない。

日本国語大辞典』と違って、こちらは「断言」しているんだな。

(勝手にライバル認定している)『三省堂国語辞典』はどうか。

なさい
〔動詞・補助動詞「なさる」の命令形〕
同等以下の人に、軽く命令する言い方。〔「なされ」は古風で、尊敬した言い方〕

ふむ。微妙だな。『三省堂国語辞典』の方は「なさい」と「なされ」は別物だと主張しているんだろうか。

 「なさい」なんて言葉がわざわざ立項されていることも不思議(ぼくにはよくわからない)なんだけど、「なさい」という語自体にもいろんな謎(ぼくにはよくわからない)があるみたいだな。

いつか「なるほど!」と納得する日のためにメモを残しておこう。

こどものかお オフィススタンプ ごめんなさい D 1563-186

こどものかお オフィススタンプ ごめんなさい D 1563-186