気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

性行は交わらない。

性交」は、まあ口にするのが恥ずかしい単語ではある。ただ、「性行」を「性交」と間違えて照れたりする方がもっと恥ずかしいだろうなあ。

でも、ちょっと間違えそうではあるよ。

宮本百合子の作品には「結婚相手の性行を知る最善の方法」なんてものまである。うっかり「え、明治のモガはそんなことをおおっぴらに気にされていたんですか。それはどうも」なんて照れてしまいそうだ。

もちろん「性行」は「性交」じゃない。

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ニホンカワウソは生き続ける。

ちょっと驚いたんだけどね。「ニホンカワウソは生きている」とする辞書がいくつかあるみたいだね。

たとえば『日本国語大辞典』。

かわ‐うそ[かは‥] 【獺・川獺】

(1)イタチ科の哺乳類。体長六〇~七〇センチメートルで、イタチに似ている。体は長く、尾は基部が太い。四肢はきわめて短く、指には水かきがあって潜水がうまい。背面は光沢のある褐色で、腹面は淡褐色。川岸、海岸などの穴にすみ、夜、魚、貝、水鳥などを捕食する。毛皮はラッコに類似し、きわめて高価だったために乱獲された。ユーラシア大陸北アフリカに広く分布し、ユーラシアカワウソとも呼ばれるが、生息数は各地で減少している。日本産亜種ニホンカワウソは、かつては日本全土に棲息したが、現在では、四国の一部にごく少数残存するのみ特別天然記念物。かわおそ。おそ。学名はLutra lutra
(2)(1)の毛皮。上毛はよごれがつかず、上毛を抜いて下毛だけにしたものは柔らかくあたたかいので、衣服やえり巻、くつなどに用いて珍重された。

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「キャッシュレス」は国語辞典にもあるね

キャッシュレス」。新しい言葉だと思ってたんだけど、国語辞典にも載ってるんだね。

広辞苑』も前の版から載せてるな。『三省堂国語辞典』も以前の版から載せている。

キャッシュレス【cashless】
現金を使わないで、(カードなどで)しはらいをすませること。

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「頭角」は何度くらい?

頭角をあらわす」って言葉がある。馬鹿なぼくは「頭角って何度くらい?」と考えてしまった。「頭角」を「頭の角度」と思ってしまったわけだ。

考えてもわからないぼくは、とうぜん国語辞典を引いた。まずみてみたのは『三省堂国語辞典』だ。

とうかく【頭角】
〔=あたま(のさき)〕
すぐれた才能。

いや、よくわかんないね。

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「取り巻く」ことについて。

NHK高校講座(アイドルを使って浮かれてるの以外は結構見てる)の地学で、原子の話をしていた。曰く「水素原子は原子核の周りをひとつの電子とりまいている」と。

これ、違和感を感じるよね。「ひとつの電子」が「とりまく」ことは可能なのかどうか。たとえば『三省堂国語辞典』をみる。

とりまく【取り巻く】
(1)まわりをかこむ。
(2)人のきげんを取って、いっしょに飲み食いをする。

これを見る限り、「ひとつ」が何かをとりまくことはできなさそうだな。

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線分図なんて辞書にないよ

小学生の頃、世の中に「勉強」なんてものがあることを知らず、教室で出会う「線分図」なんてものにも悩まされた。

でもわかんなくても良かったんだ。だって、「線分図」なんてほとんどの辞書に載っていない。もちろん「線分」にも「線分図の意味なんてない

線分図」を立項しない『広辞苑』で「線分」をみておく。

せんぶん【線分】
二点PとQを通る直線状で、それら二点間にある部分を線分PQという。有限直線。

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「当分」は進化主義的悲しい言葉?

「当分」は『新明解』に次のように定義されている。

とうぶん【当分】
その状態がしばらく続き、変化の起こることは現状に置いては期待出来ないことを表す。

この語釈、なんとなくさびしい感じがしないかな。

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国語辞典の「ウイナー」

国語辞典の「ウイナー」には二度騙された。

まず、国語辞典に「ウイナー」なんて語はないだろうと思っていた。そして、載っているのなら、絶対にテニス用語としての「ウイナー」を説明しているだろうと思った。どっちも裏切られた。

ウイナー
({英}winner )
勝利者。受賞者。また競馬で、優勝馬

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