そりゃそうだよ。それで「性交」を引いてみた。辞書は『新明解』第七版。
成熟した男女が時を置いて性的な欲望を満たすために肉体的に結合すること。
この定義を見て、落語好きが思うのは「短命」。
- アーティスト: 柳家小三治
- 出版社/メーカー: ソニーレコード
- 発売日: 1996/05/22
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「時を置」かずに「結合」してしまうせいで、旦那が3人も死んじゃうという噺だ。
ついでだから他の辞書も見てみよう。『岩波国語辞典』第七版・新版はちょっと過激だ(閲覧注意・笑)。
男女が性器を交える行動。
なぜこう直接的な表現にしなくてはならないのか。それには実は理由がある。たとえば『広辞苑』第六版を見てみよう。
男女の性的な交わり。交接。媾合。房事。
後半はともかくとして、『岩波国語辞典』は、『広辞苑』の最初の部分に戦いを挑んだのだ。「性的な交わりぜんぶが『性交』じゃねえだろう」。
現代的視点でみると『岩波国語辞典』の言い分が圧倒的に正しい。ただ、『広辞苑』が「歴史的」な辞書であることも考慮に入れておいてあげよう。
「性的行為」の多様化を、少なくともオープンに語ってよくなったのは、さほど古いことではないのだろう。『広辞苑』はそこに配慮したと理解しておく。
ところで。『大辞泉』第二版にはDVD-ROMがついてくるが、そのDVDで「性交」をチェックしたらたくさんの類語が出てきた。これはなかなか刺激的だ。
『大辞泉』第二版付属DVD-ROMの「性交」で表示される類語たち。「気合が入っている」という認識で良いはずだ。 twitter.com/torisan3500/st…
— maeda hiroakiさん (@torisan3500) 2013年5月8日
辞書は基本的には紙が好き。でもこういう圧倒的パワーを見せられれば、それはそれで面白い。
- 作者: 松村明,小学館国語辞典編集部
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