気になる言葉 on 国語辞典

つい気になった言葉など、辞書で引いてみる

「コンサイス」は三省堂の登録商標。ってことでいろんな会社の辞書で扱いを見てみる

『辞書と日本語』という本を読んでいる。著者は『大辞林』初版の編集長。10年ほど前の本だけど、なかなか面白い。

本書によると、「コンサイス」という語は三省堂の商標なんだそうだ。ぼくら世代に懐かしい「コンサイスコンポ」は使用料を払ってたらしい。

「ステレオ」が一般化して、「コンポ」が、「コアファン」以外にも普及し始めた頃。まあ、うちは田舎者なので、世間よりもちょっと遅めに感じているかもしれないけれど^^。

で、「コンサイス」。まず『岩波国語辞典』第七版・新版は項目がない。まあ、それはそれで見識だ。『新潮現代国語辞典』にもない。『明鏡』にもないな。小型辞書でいうと『三省堂国語辞典』第六版が載せている。

簡明(カンメイ)。簡潔(カンケツ)。「—判(バン)〔=書籍(ショセキ)で、縦十七センチ、横十センチの大きさ。『コンサイス英和辞典』[商標名]の大きさから〕」

そうか、形は小さいだけでなく、独自のものだったか。

コンサイス英和辞典

コンサイス英和辞典

そうそう、小型辞書の中で『新明解』第七版を見ないわけにはいかない。

携帯用の小型辞書(の判型

そうか。やはりサイズも重要らしい。

中型辞典に行ってみよう。『広辞苑』第六版はさらっと「小型辞書の商標名」としている。『大辞泉』第二版は商標についての言及はなく「簡潔な、簡明な、の意」。

手持ち辞書のうち 『大辞林』第二版が簡にして要だ。

三省堂版の小型辞書の商標名

「よくまとまってるじゃないか」と思った。まあそれは当たり前か。『大辞林』は三省堂の辞書だ。 

最後に『辞書と日本語』の目次を簡単に記しておく。

辞書と日本語 国語辞典を解剖する (光文社新書)

辞書と日本語 国語辞典を解剖する (光文社新書)

第一部 「辞書を読む」

 1章 日本語の変化を辞書はどう映すか

 2章 辞書には何が書いてあるか

 3章 語源の奥深さ
 4章 用例は語る

第二部 「辞書作りの舞台裏」

 5章 見出し語はどのように選ぶか

 6章 辞書の命 ― 原稿製作

 7章 辞書作りの手順

第三部 辞書をより深く知る

 8章 辞書の歴史

 9章 辞書の近未来