東京に出てて(何年も前の話だ)、何かの本で「関西では鶏肉をカシワと呼ぶ」という記述をみた。「東京では言わないのか」と驚いたものだった。
中学・高校と大阪ですごしたぼくは、確かに「鶏肉」を「かしわ」と呼んでいた。また「肉まん」は「豚まん」と呼んでいたな。
関西では、「肉」と言うと、牛肉をさす。豚肉や鶏肉は、肉とは言わず「ブタ」、「カシワ」と言わなければならない。だから関西人は…「肉マン」というのが気に食わない。あれは「豚マン」でなければならない。 via 『日本語用例採集帳』
— maeda hiroaki (@torisan3500) June 28, 2013
料理をしないぼくは、東京で鶏肉を「かしわ」と呼ばないのかどうか知らない。ただ「聞かないなあ」と思うだけ。
『広辞苑』第六版から引いてみよう。
(1)羽毛が茶褐色の鶏。肉が美味とされた。
(2)転じて、鶏肉。
なるほど、転じたのか。いつ転じたのか、『日本国語大辞典』も見てみよう。
羽毛が茶褐色の鶏。和鶏。また、その肉。特に雌鶏の肉を美味としたが、天保(一八三〇~四四)以降は鶏肉の総称となった。かしわどり。
天保ってのは「天保銭」の頃。ずいぶんと昔の話だ。
ところで東京では「ミンチ」というのも言わないそうだ。料理をしないので耳にする機会がないだけのことだと思っていた。
(関西人は)「ひき肉」というのにも抵抗があるらしい。「肉」は牛肉と決まっているのだから、ひき肉であれば、牛のひき肉でなければならない。(しかし合いびきなどというものもあるので)ひき肉一切を、「ミンチ」と呼ぶことにしたらしい via 『日本語用例採集帳』
— maeda hiroaki (@torisan3500) June 29, 2013
尚、以上の話の出典である『日本語用例採集帳』。読者登録ハガキがついていたんだけれど、書名に誤植があった。
辞書関連本のかなり面白い誤植 via 『日本語用例採集帳』 pic.twitter.com/HGPOJSCclx
— maeda hiroaki (@torisan3500) June 28, 2013
ちょっと可愛い。
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